読感– category –
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雑草と付き合って暮らす『雑草と楽しむ庭づくり』(曳地トシ+曳地義治)
緑が濃くなってきました。庭の雑草も勢いを増しています。草取りは嫌いではないものの、腰に来るので、気をつけながらです。 この本に出合うまでは、雑草を目の敵にしていました。なんとか全滅させたいとがんばりました。 でも雑草と共存する、という考え... -
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沖縄と出会わせてくれた『太陽の棘』(原田マハ)
8年前に出版されたこの本を読んで、それ以来私は原田マハさんのファンになりました。 物語の最初はサンフランシスコの丘の上、84歳のエドワード・A・ウィルソンの診療所です。彼の診察室には、絵がたくさん飾ってあります。それは患者の気持ちを和らげ... -
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日常生活をチェック『80歳の壁』(和田秀樹)
著者の経歴は、1960年生まれ。東京大学医学部卒、精神科医。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっています。 経験に裏打ちされたアドヴァイスが、とても気持ちを楽にしてくれました。今は人生100年時代と言われていま... -
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悩める人々の憩いの場所『わたしの美しい庭』(凪良ゆう)
5階まであるマンションの屋上には、手を掛けた庭があり、その先には小さな神社があります。縁切りの神様とも言われています。 この神社の持ち主で宮司、翻訳者でもある40代の統理には引き取った7歳の娘・百音がいます。別れた妻が再婚してできた娘です... -
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悩める高校3年生と社会科教師『きじかくしの庭』(桜井美奈)
田路宏昌は社会科の教師です。教師になって6年、高校3年のクラス担任もしています。生徒からは、ボーッとしていてやる気がなさそうと思われています。 履歴は、地元の国立大学卒。今も一緒に呑む友人もいますし、優秀で一度の試験で弁護士になった彼女も... -
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衝撃的な三角関係『あちらにいる鬼』(井上荒野)
これは著者の父、母、瀬戸内晴美をモデルとした小説です。白木篤郎、笙子、みはるとして登場します。1966年から、みはると笙子が交互に心境を語るという方法を取っています。 その年、長女は5歳の幼稚園児。父とみはるは出会いました。作家として、徳島へ... -
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『蜜蜂と遠雷』のスピンオフ短編集『祝祭と予感』(恩田陸)
大ヒットしていた『蜜蜂と遠雷』を読んだのは、5年前(2016年)のお正月明けでした。突発性難聴で受診した1月4日の夕方から入院した病室で、です。 9時から12時半まで左腕に点滴の針を刺されてベッドの上に寝たまま、お腹の上に幅4センチもあるずっしり... -
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父の最後を看取りながら思うその人となり『無名』(沢木耕太郎)
この作者の『深夜特急』以来のファンです。 実の父の最後を、母・姉2人と交替で見守りながら、父の生涯と人となりを描き出した心に沁みるノン・フィクションです。 彼の父は築地で生まれ育ち、白金と麻布で暮らし、戦後は池上に住んでいました。そして亡... -
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童話のような怖い話『密やかな結晶』(小川洋子)
この島では、次々に物が消えていき、人々の記憶からも消えていきます。 主人公は小説を書いている若い女性。彼女の子どもの頃、地下室は母の彫刻の仕事部屋で、母が秘密の引き出しから、なくなった物を見せてくれました。 リボン、鈴、エメラルド、切手、... -
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スピーチライターとは?『本日は、お日柄もよく』(原田マハ)
また、マハさんの登場です。 スピーチライターという職業は、日本ではまだあまり知られていません。この小説では、企業の社長さんの挨拶や代議士の演説のスピーチを書く人のことです。 主人公の二宮こと葉は、製菓会社でOLをしています。幼馴染みで片思い...