『赤毛のアン』というと、第1巻のみを思い浮かべる方が多いのでは?実は、全8巻です。新潮文庫版では、お友達のことを書いた4巻と8巻を含めて10巻になっていますが。
私が第1巻と出会って夢中になったのは、中学3年生の時。11歳の孤児・アンが中年の兄妹・マシュウとマリラに引き取られ、グリーンゲイブルスで過ごす悲喜こもごもの日々が、実に楽しく感動的に描かれていますね。
自分の成長と共に第2,3と読み続け、30代になって、全8巻を読みました。大人になり母となったアンも何て賢く愛情深いこと!
そして最近、再び全巻を読み通しました。一番感動したのは第6巻『アンの夢の家』です。ギルバートと結婚した新婚時代の話ですが、ご近所付き合いする人物たちが実に個性的で魅力的です。ミス・コーネリアはおしゃべりですが親切心溢れるおばちゃん。灯台守のおじさんは元船長さんで、世界中を航海した話題豊富な好人物。そして謎の美しい若奥さんにはとんでもないどんでん返しが待っている物語があります!
次に感動的なのは、最後の『アンの娘リラ』
これは第一次世界大戦下のプリンスエドワード島の様子をアンの末娘・リラの目を通して描いています。徴兵制ではなく、志願した若者たちが前線へと出かけて行きます。アンの愛する長男、次男、三男までも・・・。深い悲しみあり、感動ありの、涙ぼろぼろの物語です。
アンと共に過ごしたようなこの読書の日々は、本当に楽しく、この永遠の傑作の作者・モンゴメリーと翻訳者の村岡花子さんに感謝の気持ちでいっぱいです。
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