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似た経験をしている人には共感できる『自転しながら公転する』(山本文緒)
都(みやこ)は高校を出て、東京で好きなブランドのショップに勤めていました。けれど母の具合が悪いから、と父から連絡があって牛久大仏の見える茨城県の実家に戻ります。母は重い更年期障害で、起き上がれない日もあります。都が病院へ付き添うようにな... -
久しぶりの江ノ島散策
10年ぶりぐらいに、友人と江ノ島へ行きました。久しぶりの小田急線・江ノ島駅は、デザインはそのままに新しく輝いていました。橋の中ほどから右手の海の向こうを見ると、富士山は裾だけ見せて雲に隠れています。「残念ねー」と言い合いました。思ったより... -
愛らしく賢い『ある小さなスズメの記録』(クレア・キップス 梨木果歩訳)
1940年7月1日、一人暮らしの寡婦Kは、ロンドン郊外の自宅の玄関前で瀕死の小鳥を見つけました。温かいフランネルで包んで台所の炉辺に座り、くちばしが開くようになってから、マッチの軸で温かいミルクを小さな喉に一滴ずつ垂らし、小さな鉢の内外を毛糸で... -
文化人類学者の友人を訪れた作家の記録『女二人のニューギニア』(有吉佐和子)
友人の文化人類学者・畑中幸子さんの「あんたも来てみない?ほんまにええところや」の誘いに乗って、1968年3月インドネシアを訪れた後に、ニューギニアにやってきた作家・有吉佐和子のありのままの記録です。 小さなセスナ機でオクサプミンに着いてからは... -
日常的な話にみえるけれど・・・『春の庭』(柴崎友香)
東京・世田谷線の駅から徒歩15分の所に築31年の「ビューパレスサエキⅢ」はあります。1階と2階に4部屋ずつあり、どの部屋にも12支の名前がついています。太郎は亥室です。30歳、離婚して今は独身です。アパートの誰とも付き合いはありませんが、最近2階... -
しばしば笑ってしまう『花桃実桃』(中島京子)
花村茜は43歳独身の勤め人です。父が亡くなって、郊外のぼろアパートを相続することになります。築20年、9戸のうち4戸も空き家です。見に行った日は桜の花びらが散っていて、花桃、レンギョウ、ドウダンツツジが花盛り。しかも花壇に花を植えていた老女に... -
新年、明けましておめでとうございます。
東京と多摩川を越えた隣の県、神奈川県は素晴らしい青空のお天気の元旦です。庭の梅がもう蕾をつけていて、磨いたような青空に映えています。 今年はどんな年になるでしょうか?去年も書いたように、嵐の時には身を丸めてやり過ごし、晴れた日には大手を挙... -
今年が終わるご挨拶
今年から始めたこのブログ、娘の技術的なサポートに支えられて、無事に一年続けられました。思いがけずたくさんの本が読めてご紹介できました。私自身は楽しかったです。少しはお役に立てたでしょうか? 読んでくださった方々、ありがとうございました。ま... -
教会のクリスマス
25日(日)は、人数を減らすため午前と午後に分かれての礼拝です。私は午後でした。クリスマスツリーとクランツが飾られたいつもよりも華やかな礼拝堂です。 クリスマスの讃美歌、牧師のお説教、そして聖餐式はプラスチックの袋に封印された小さなパンとや... -
我が家のクリスマス♪
クリスマス・イブの夕闇が落ちるころ、庭のスノーマンと枝飾りの電気を点けます。 すっかり日が落ちたころ、娘の一家が賑やかにやってきました。上の男の子は小学4年生、下の女の子は小学1年生です。さっそく私の手料理で夕食です。子供たちの好きなトリの...