2023年1月– date –
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読感
愛らしく賢い『ある小さなスズメの記録』(クレア・キップス 梨木果歩訳)
1940年7月1日、一人暮らしの寡婦Kは、ロンドン郊外の自宅の玄関前で瀕死の小鳥を見つけました。温かいフランネルで包んで台所の炉辺に座り、くちばしが開くようになってから、マッチの軸で温かいミルクを小さな喉に一滴ずつ垂らし、小さな鉢の内外を毛糸で... -
読感
文化人類学者の友人を訪れた作家の記録『女二人のニューギニア』(有吉佐和子)
友人の文化人類学者・畑中幸子さんの「あんたも来てみない?ほんまにええところや」の誘いに乗って、1968年3月インドネシアを訪れた後に、ニューギニアにやってきた作家・有吉佐和子のありのままの記録です。 小さなセスナ機でオクサプミンに着いてからは... -
読感
日常的な話にみえるけれど・・・『春の庭』(柴崎友香)
東京・世田谷線の駅から徒歩15分の所に築31年の「ビューパレスサエキⅢ」はあります。1階と2階に4部屋ずつあり、どの部屋にも12支の名前がついています。太郎は亥室です。30歳、離婚して今は独身です。アパートの誰とも付き合いはありませんが、最近2階... -
読感
しばしば笑ってしまう『花桃実桃』(中島京子)
花村茜は43歳独身の勤め人です。父が亡くなって、郊外のぼろアパートを相続することになります。築20年、9戸のうち4戸も空き家です。見に行った日は桜の花びらが散っていて、花桃、レンギョウ、ドウダンツツジが花盛り。しかも花壇に花を植えていた老女に... -
好日
新年、明けましておめでとうございます。
東京と多摩川を越えた隣の県、神奈川県は素晴らしい青空のお天気の元旦です。庭の梅がもう蕾をつけていて、磨いたような青空に映えています。 今年はどんな年になるでしょうか?去年も書いたように、嵐の時には身を丸めてやり過ごし、晴れた日には大手を挙...
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