目白にある永青文庫に『芭蕉』展を観に行きました。地図を片手に静かな住宅街を探しながら行くと、うっそうとした古木の生い立つ一角に「永青文庫」という門を見つけました。
江戸時代は肥後藩主細川家の下屋敷だったそうです。きれいな砂利道の奥に、こじんまりした木造の美術館がありました。4階の広間が展示場でした。私の目当ては「芭蕉の絵」です。
私は俳句をたしなみませんが、芭蕉の俳句と「奥の細道」の大ファンです。「奥の細道」を辿る旅を2年かけてしたこともあります。けれど芭蕉が絵を描いたことは知りませんでした。晩年に弟子の許六に習ったそうです。
その生の12枚の絵が、展示されていました!編み笠、脚絆、草履の出で立ちで山裾や木立の中を行く旅人たち。筏で川を渡る者もあり、馬に乗る者もいます。3人の駕籠かきが1組のお客を狙ってくじ引きをしている場面は会話が聞こえてきそうです。どの絵もどこかユーモラスで人々が楽しそうです。芭蕉が旅を好んだからでしょうか。
許六の描いた芭蕉の旅姿の絵もありました。編み笠に墨染めの衣、脚絆と草履姿の颯爽とした後ろ姿です。その出で立ちで奥の細道も歩かれたのでしょう。
憧れの人に出会えたような幸せな時間でした。
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