2021年12月– date –
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読感
寂しい50代の清純な恋『モンローが死んだ日』(小池真理子)
軽井沢に1人で住む鏡子は、夫を亡くしてから精神状態がおかしくなり、精神科を受診します。そこで出会った同年代の医師の優しさのこもる受容に、次第に癒やされて行きます。 医師が、鏡子の勤める作家の記念館を訪ねて来た日以来2人は親しくなり、横浜か... -
好日
お目出度い『小鳥の落とし物』
この冬も我が家の庭には、マンリョウの若い木が何本もたくさんの赤い実を付けています。つやつやした目立つ実は、万両という名に相応しくお目出度い雰囲気です。 でも、これは私が植えたのではありません。いつの間にかあちこちの草むらから生え出てくるの... -
読感
デパ地下が楽しい『和菓子のアン』(坂木司)
主人公は、梅本杏子(通称アンちゃん)。高校を卒業したばかりの18歳。身長150cm、体重57kg。彼女の目線からの語りが軽妙で分かり易く、とても楽しく読んでいける小説です。 杏子は大学には行きたくないし、専門学校へ行くほど興味のあることもないため、... -
読感
ミステリーなのに誰も死なない『春にして君を離れ』(アガサ・クリスティー)
ここでは殺人事件は起きません。サスペンスではなく、家族の物語です。それなのにミステリアスで引きこまれていくところは、さすがアガサ女史です。そして聖書が下敷きにあるところも。 主人公はイギリス・クレイミンスターに住む裕福な45歳の主婦です。自... -
読感
ゴッホの時代にタイムスリップ『たゆたえども沈まず』(原田マハ)
ゴッホの絵の好きな者にとっては、ワクワク・ドキドキしてから切なさが余韻として残る小説です。 1886年のパリから始まりますが、最初に登場するのは創作された人物、加納重吉です。彼は日本人美術商の林忠正の元で働こうとしてやってきた日本人の若者。実... -
見聞録
マスクの『メサイア』(ヘンデル作曲)
馴染み深く大好きなオラトリオなのに、生演奏を聴くのは久しぶりでした。日暮れの早くなった日の午後、昭和音大の大ホールへいそいそと出かけました。 まだコロナ禍の収まらない時期ゆえ、様々な対策が取られていました。合唱・オーケストラ共、昭和音大の... -
見聞録
父親が3人もいる『そして、バトンは渡された』
これは原作になった小説も読んでいて、そういう場合はイメージと違ってがっかりすることがあります。ところがこの話は、映画の方が納得しました。 内容は、なんてとんでもない!という現実離れした話です。それなのに、感動しました。 優子という女の子に... -
好日
買い置きしたい『昼食のお助け品』
我が家は夫と2人暮らしです。元気でいたいので食事には気を配っています。 朝食は食パン、紅茶、ジュース、ヨーグルト、季節の果物が基本です。それにゆで卵やチーズやサラダが交互に付きます。 昼食は麺類。うどん、そば、ラーメン、焼きそば、スパゲッ... -
好日
我が家で『みかん狩り』
我が家の庭には、50cm位の若木を植えてから20年余りのみかんの木があります。今では1m50cmほどになりました。 10年ぐらいまでは実が生るものの、とても食べられませんでした。その後は皮ばかり厚いもの、味のないまずいもの、酸っぱいもの…と次第に... -
好日
都会で珍しい『メグスリノキ』
目薬の木は、本来は山に生える落葉高木です。大きめの葉が3枚、濃いピンク色に紅葉する美しい木です。 初めて見たのは30年ぐらい前、高尾山でした。1号路を登って行くと、中間ぐらいに金毘羅宮のある小さな広場(?)に出ます。一汗かいて休憩をしている時...
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