姉の宏美は、1つの部屋に凪子の流木オブジェや貝細工を置き、売り始めました。そして館山駅近くのスナックで働き始め、ついに都会へ戻って行ってしまいました。
1人になった文哉は、暮れから正月に体調を崩して寝込み、これからどうするか考えました。別荘管理の仕事は誠実にやっていて、評判もいい。でもそれだけでは暮らしてはいけません。
この辺りは漁業か農業か。房総ビワも特産です。しかし、どちらも体力と経験がモノを言います。魚釣りをしたり、庭に野菜を作ったりして、日々の糧にします。
海辺で会った人から譲られた古伊万里の染付蛸唐草文皿の欠片は、凪子がブローチにしました。そして様々な品の売り代の一部をくれました。
夏に別荘の人々と地元の人々を集めて、持ち寄りで親睦バーベキューパーティーをしました。様々な食料が集まり、大いに盛り上がりました。そして皆に励まされます。交流会は成功!
元ガールフレンドも1日やってきて、一緒に泳ぎました。
滞在1年で順調に動き出した矢先、房総半島に大嵐がやって来ます。家々は屋根を剥がれ、電気も止まりました。
文哉は便利屋の和海と屋根にブルーシートを貼る仕事で大忙しです。そんな中で野菜作りの師である農業者から陸稲の刈り入れ方を教わります。
手で刈り稲架けして干した米は、実に美味しく、自給自足の道を見つけました。
猟師から、イノシシを捕り、その肉の捌き方も教わります。久しぶりの肉鍋の美味しかったこと! 文哉は南房総で生きて行けそうです。
好きなことをして暮らせ!『海が見える家』(はらだみずき)
緒方文哉は就職1ヶ月で会社を辞めます。ブラック企業だと気づいたので。その矢先に、見知らぬ男から電話で父の死を知らされます。 父は離婚してから、小2年の文哉と小…
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