読感– category –
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高校生コンビが格好よい『本と鍵の季節』(米澤穂信)
図書委員になってから親しくなった2人の高校二年生の男子が格好いいです。松倉詩門は勉強もスポーツも出来、スタイルも顔も良く、物事を斜めに見るタイプ。堀川次郎はまじめで優しいです。この2人が謎解きに関わっていく六つの物語です。 1、一年先輩の... -
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母の愛の力はすごい『タカラモノ』(和田裕美)
ほのみが小学校2年生の秋、家族は池を埋め立てた新興住宅地に引っ越してきました。その一か月後、小学校の運動会があり、6年生の姉はリレーで一番に、ほのみは周回遅れでビリでした。でもママは「あそこであきらめないで最後まで走って偉かった」とほめて... -
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文哉の旅立ち・完結編『海が見える家 旅立ち』(はらだみずき)
3月にアップした『海が見える家 続続編』は、文哉が管理する別荘地が台風で被害に遭い、彼は野菜も自分で作ってほとんど自給自足の生活をし始めたところで終わりました。今回は4冊目。台風から一年後、文哉の旅立ち・完結編です。 文哉は相変わらず海釣り... -
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2人の気持ちがズレた時にどうする?『傲慢と善良』(辻村深月)
架は30代後半まで、女性との付き合いはたくさんあったのに、結婚しようとは真剣に考えませんでした。気が付いたら周りはみんな結婚しているか独身を貫くという友人たち。100%気に入っていた女性とは、相手が26歳だったことから急がずに、ただ付き合... -
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夫婦・親子も相性?『雲を紡ぐ』(伊吹有喜)
美緒は高校2年生です。1年の時に受けたいじめのため、学校へ行っていません。自分の部屋のベッドで赤い温かいショールにくるまっています。母はそんな娘を心配するあまり、説明を求めたりお説教をしたりします。美緒は自分の気持ちをうまく言葉で言えませ... -
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32歳の2人のゴールインまで『やめるときも、すこやかなるときも』(窪美澄)
家具職人をしている須藤壱晴と会社員の本橋桜子は、友人の結婚式の二次会で出会いました。二人とも酔っぱらって洋服を着たまま壱晴の部屋で何事もなく寝ましたが、そのいきさつはさっぱり覚えていません。 二度目の出会いは、壱晴の個展のカタログを作るた... -
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真反対のナルチスとゴルトムントの友情『知と愛』(ヘルマン・ヘッセ 高橋健二訳)
この本は、大学に入学してすぐ、50代半ば、そして老女になった現在の3回読んでいます。どの時も感動した、ヘッセの作品の中で一番好きな長編小説です。 少年ゴルトムントは父の意向でマリアブロンの修道院に入れられます。ダニエル院長は年配者で、尊敬さ... -
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読書好きはワクワクする『本を守ろうとする猫の話』(夏川草介)
夏木林太郎は高校生、今は不登校中です。幼いころに両親が離婚したため、祖父と暮らしていました。ところが祖父が亡くなり、初めて会った叔母が引き取りに来て、居心地のよい古書店もたたむことになりそうです。 祖父が丁寧に本を扱っていた古書店には、人... -
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17歳の少女のひと夏の出来事『悲しみよ こんにちは』(F.サガン 翻訳者:朝吹登美子)
この小説を読んだのは女子大生の時でした。真面目な私にはピンとこない話で、心に残らずすっかり忘れていました。 今回改めて読んで、18歳でこの物語でデビューしたサガンの才能に感服しました。 セシルは17歳で、父とその愛人のエルザと一緒に地中海に面... -
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何でも好転させるおばぁちゃん『ひかりの魔女』(山本甲士)
85歳のおばぁちゃんが光一の家族と一緒に住むことになります。長男と暮らしていたのですが、彼が亡くなって一人になってしまったのです。もともとこの家はおばぁちゃんの家で、25年前まではここに住んで書道教室を開いていました。 やってきたおばぁちゃん...