高校生コンビが格好よい『本と鍵の季節』(米澤穂信)

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本と鍵の季節

図書委員になってから親しくなった2人の高校二年生の男子が格好いいです。松倉詩門は勉強もスポーツも出来、スタイルも顔も良く、物事を斜めに見るタイプ。堀川次郎はまじめで優しいです。この2人が謎解きに関わっていく六つの物語です。

1、一年先輩の浦上麻里の依頼は、亡くなったおじいちゃんが遺した開かずの金庫を開けること。浦上家の祖父の書斎の本棚  からそのヒントを見つけたうえに、浦上家の謎まで解いた松倉の推理に感服します。

2、友人を誘っていくと割引になる美容院に松倉を連れていった折の話。いつもと違う店の様子、例えば店長が出てきて挨拶する等、最近盗難があった様子。犯人が誰かを2人で見物するという面白い話です。

3、図書委員の働きも見せてもらえます。そんな中、同級生でワルの植田昇が夜の7時半に職員室の窓ガラスを割り、テスト問題を盗んだと疑われ、弟の植田登から相談を受けます。夜は出かけたけれど、学校で盗みを働いたとは思えないと。登と一緒に二人は兄弟の部屋を探します。アリバイを証明できるものを見つけ、時間的に無理だったと証明できました。

4、3年生の生徒が一人、自死をします。彼の友人が図書室にやってきて「亡くなった香田が最後に借りた本を探してくれ」と頼みます。亡くなった数日前の放課後、便せんに何かを書いていた。自分が入っていって、何を書いているのか聞くと、「何でもない」と言ってその紙を折って本に挟んだと言います。ところが図書室には閲覧記録を秘密にするという決まりがあります。そこで、便せんを本に入れる現場を再現して・・・謎を解きました。

5、図書室がとても暇な日、二人は昔話を始めます。次郎は自分が子供だったころ、父が自分と親戚の子供たち4人を連れてプールに行ったことを話します。100円玉を水に沈めて取ってきた者にアイスを奢ると言われます。詩門は、当てました!

詩門の話はこうです。小金を貯めた自営業者がいました。ある日警官に泥棒がよく出るので、どこかに仕舞うように言われます。どこに隠したか分かりません。そのまま亡くなりました。息子の自分は悔しい、と、自分の家庭の話でした。そこで二人は探すことにします。詩門の父は子供たちをカローラに乗せて時々旅行に行きました。まず元住んでいた家に行きます。その近辺で6年間置きっぱなしの車を探します。車はありました!そして次郎は真実を突き止めます。 

そこから先の話はここには書けません。二人の友情がまぶしい物語です。

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