この小説を読んだのは女子大生の時でした。真面目な私にはピンとこない話で、心に残らずすっかり忘れていました。
今回改めて読んで、18歳でこの物語でデビューしたサガンの才能に感服しました。
セシルは17歳で、父とその愛人のエルザと一緒に地中海に面した大きな白い別荘で過ごしています。父は女たらしで半年ごとに女性を変えますが、エルザは若くて玄人っぽく、セシルとも気が合います。
6日目に彼女の入り江の前でヨットを転覆させた大学生・シリルと出会い、気に入ります。彼は母親と別荘に来ていました。その夜父からお客があると知らされます。アンヌと聞いて驚きます。亡くなった母の古い友達で、セシルが2年前に寄宿舎を出た時、彼女を預かってくれた人です。
アンヌは洗練されていて、頭の良い思慮深い人たちと付き合っています。セシルはアンヌを尊敬していました。そしてこのエルザのいる家に招くことを心配します。けれどアンヌは車でやってきました。アンヌはセシルに午後は勉強をすることを指示します。そして大学生のシリルと付き合うことを反対します。
窮屈に思うセシルは名案を考えつきました。エルザとシリルを付き合っているように見せて、父をやきもきさせることです。エルザはシリルの家に移り、父の目につくところで、二人は仲の良いふりをします。
父はパリへ帰ったらアンヌと結婚すると言います。そうしたら今までのような気楽な雰囲気はなくなってしまいます。アンヌをそのように愛しながらも、父は自分の若さを確かめたいという欲望に負け、エルザを抱きます。それを目撃したアンヌは車で去ります。その夜、電話が鳴りました。アンヌの車が崖から落ちたと。アンヌは亡くなりました。看護婦が一番事故の多い場所だったと教えてくれました。
パリに戻り、父とセシルはやもめと孤児のようにいつも一緒に暮らしますが、間もなく父は新しい愛人の話をし、セシルにもボーイフレンドができました。しかし夏がやってくる時、アンヌの名を呼び、「悲しみよ こんにちは」という気分になります。
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