見聞録– category –
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見聞録
パリの町を走りまわるうちに温かい友情で結ばれる『パリタクシー』
タクシー運転手のシャルルは、免許停止まであと2点。お金もなく、兄に借金を申し込むも、冷たく断られます。そんな時に迎えに行くように頼まれた家が、閉まっています。後ろから声をかけられて振り向くと、きちんとした身なりの高齢の女性が呼んでいます。... -
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黒沢明監督『生きる』のイギリス版『生きる Living』
*これは日系イギリス人の作家、カズオ・イシグロが熱意をもって脚本を書いた作品です。黒沢の映画で唯一印象に残っているシーンは主役の志村喬がブランコに揺られながら♪命短かし恋せよ乙女♪を歌うところです。それほど昔の映画を戦後のロンドンを舞台に... -
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悲劇的状況を喜劇的に表わした「川っペり ムコリッタ」(萩上直子監督)
富山県の日本海に面した漁港。イカがたくさん獲れます。山田(松山ケンイチ)はそこの塩辛工場で働き始めます。 工場長(緒方直人)の口利きで、川べりの古い木造長屋を紹介されます。 ある日、隣の住人・島田(ムロツヨシ)が風呂を貸してほしいと、無理... -
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オードリー・ヘップバーンの人生と人間性を描いた映画『オードリー』
高校生の時に観た「ローマの休日」の感動はいまだに忘れられません。気品があるのにお茶目でチャーミングな王女様。 その後も『麗しのサブリナ』など人気映画の主役を演じましたが、晩年にユニセフの親善大使として紛争地帯の子供たちを訪ねている写真には... -
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父と息子の物語『とんび』(原作:重松清)
瀬戸内海に面した吉備市。父ヤスは、運送業の仕事に携わる力はあるけれど不器用な男。 過ぎた女房と言われる優しい妻に男の子を授かり、可愛がります。 ある日、自分の仕事場を母子に見せようと、働く運送会社の倉庫に連れて行きます。そこで幼い息子が絡... -
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荒々しくなった『WEST SIDE STORY』(ウエスト・サイド・ストーリー)
若かった頃に観た傑作ミュージカル映画の、スティーブン・スピルバーグ監督による最新版です。 画面はいきなり高いビル群の壊しから入ります。灰色にすすけていく街・・・。 ニューヨークの道路一面で踊る男たち・・・そうだった、ジョージ・チャキリスが格好良... -
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家族愛も歌声も風景も美しい映画『CODA』
CODAは、ろう者の親を持った健常者のことを意味する、ということを初めて知りました。 ルビーは17歳の高校生です。両親、兄共にろう者なので、幼いころから手話通訳をしています。一家は漁業で暮らしていますので、ルビーも朝の3時起床で、漁船に乗っ... -
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絶筆の絵で涙『東山魁夷展』
今年、居間に貼ってあるカレンダーの絵は東山魁夷画伯の「新緑」です。手前に白樺の白い幹がくっきりと立ち、遠くの林が新緑の清々しい絵です。画伯の絵はけっこう見ているつもりでしたが、これは初めての絵で、新春の気分に浸っています。 2018年11月、国... -
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マスクの『メサイア』(ヘンデル作曲)
馴染み深く大好きなオラトリオなのに、生演奏を聴くのは久しぶりでした。日暮れの早くなった日の午後、昭和音大の大ホールへいそいそと出かけました。 まだコロナ禍の収まらない時期ゆえ、様々な対策が取られていました。合唱・オーケストラ共、昭和音大の... -
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父親が3人もいる『そして、バトンは渡された』
これは原作になった小説も読んでいて、そういう場合はイメージと違ってがっかりすることがあります。ところがこの話は、映画の方が納得しました。 内容は、なんてとんでもない!という現実離れした話です。それなのに、感動しました。 優子という女の子に...
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