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仲間からのアドバイスが効く『大事なことほど小声でささやく』(森沢明夫)
6編の短編から成る物語です。すべてに関わるのは「ゴンママ」と呼ばれる優しくて愉快な大男・権田です。 1.本田宗一 45歳のサラリーマン。高校生になった一人娘のことで悩んでいます。シェフになりたくてフランスに留学を希望しています。しかし父親と... -
ドリトル先生とスタビンズ君の冒険物語『ドリトル先生ガラパゴスを救う』(福岡伸一)
朝日新聞に連載している時から楽しみにして読んでいた物語です。そして、これが本になって出たら、小学4年生の孫にプレゼントしようと思っていました。成長していく男の子には、うってつけの物語です。 主人公は医師でありナチュラリストのドリトル先生と... -
音楽教室にスパイとして潜入『ラブカは静かに弓を持つ』(安壇美緒)
全日本音楽著作権連盟に勤める25歳の橘樹は3歳から15歳までチェロを習ったことがあります。それが理由で、ミカサ音楽教室にスパイとしてレッスンに行かされます。 最大手のミカサ株式会社の音楽教室で使われる教材からも、著作料を取らねばならない、とい... -
涼しい風の吹き抜ける『箱根・湿生花園』
気持ちよく晴れた日、植物好きの友人と箱根の湿生花園に行きました。 入ってすぐの池に青い珍しい花が咲いていました。ポンテチリアという初めて知る名前です。 緑の木立の中では、真っ白いササユリが迎えてくれました。私の携帯のアドレスにもしている好... -
ザルツブルグでの日記エッセイ『オーストリア滞在記』(中谷美紀)
中谷美紀さんは女優です。6年前にドイツ人のヴィオラ奏者と結婚して、1年の半分をザルツブルグの標高600mの場所にある自宅で過ごしています。この本はコロナでロックダウンの始まった年の5月1日から7月24日までのエッセイ風日記です。 6月の末の猛暑に... -
早くも夏のウチの庭の花々
6月の末から一気に来た猛暑の日々(_ _;)我が家の庭も夏の花々が盛りになりました。 〇アガパンサス:初夏に咲き始める私の好きな花です。名前の由来は、ギリシア語のAgape(愛)とAnthos(花)で、地面から長い茎を伸ばし、てっぺんで細い花茎... -
お仕事小説の先駆『閉店時間』(有吉佐和子)
この作者は『複合汚染』でも『恍惚の人』でも数年先の人々の苦労を先取りするような小説を書かれていて感服していました。 これは同じ女子校を出た3人の女性が新宿の大手デパートに勤めた5年間の物語です。最近も人気のあるお仕事小説の先駆けともいえま... -
オードリー・ヘップバーンの人生と人間性を描いた映画『オードリー』
高校生の時に観た「ローマの休日」の感動はいまだに忘れられません。気品があるのにお茶目でチャーミングな王女様。 その後も『麗しのサブリナ』など人気映画の主役を演じましたが、晩年にユニセフの親善大使として紛争地帯の子供たちを訪ねている写真には... -
浄瑠璃の世界を楽しく覗ける『仏果を得ず』(三浦しをん)
この作者のファンで、作品のほとんどを読んでいるのに、この作品は敬遠していました。今までに一度しか見たことのない伝統芸能なんて畏れ多い、と思っていましたが・・・。 読み出したら面白くて、いっき読みでした。 主人公の健は、高校の時に見た文楽で眠り... -
紫陽花を見に王子へ
日差しはないけれど、雨も降らない涼しい日、花好きの友人に誘われて、王子へ紫陽花を見に出かけました。 飛鳥山公園の下と線路際の金網の塀の間の細い道を歩きながら、丁度満開の紫陽花の花を愛でました。 私たちの好きなブルーの花は涼しげで、濃...