この本には現役俳人312名の投票による芭蕉の俳句のランキングとその句の鑑賞文が載っています。ランク付けの根拠は、
- 最も好きな俳句一句
- それ以外で好きな句を最多十句
として募集した作品の中から人気順に157句を選び、読者には最下位から読ませるように並んでいます。
芭蕉ファンの私にとっては、ワクワクドキドキする楽しくてたまらない本でした。「まだ読んでいない人にはランクを教えてはいけない」と注意書きがあるので、それは書きません。でも最下位は16句あるので、二つくらい書いても許されるでしょう。
最下位の句は「最も好きな一句」で選ばれた句はありません。でもそれ以外の句で選んだ方が1人ずついるのです。
わが宿は蚊の小さきを馳走かな
(私の家の馳走は、蚊の小さいことぐらいです)
思わず笑ってしまうユーモアのある句です。
雪間より薄紫の芽独活かな
(雪の間から薄紫の芽独活が萌え出している)
早春の微かな動きと色合いが美しいです。
ビリに位置する句でも芭蕉の句は素敵だなと思います。
ベスト3はどの句でしょうか?俳句の好きな方々には自分の予想が当たるかどうかという楽しみがあります。
この本の表紙に刷られた芭蕉旅姿の本物の絵を、最近観る機会に恵まれ、幸せでした。
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