幸せにはさまざまなタイプがある『瞳のなかの幸福』(小手鞠るい)

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瞳のなかの幸福

妃斗美は35歳で独り者。小さな雑誌社の副編集長です。仕事は面白くてやりがいがあります。けれど…休暇で実家に帰ると、母は「貯金をしておきなさいよ。・・・いい人はいないの?」と言い、弟は「40、50になっても女が独身でいるなんて、化け物だ」と言います。面倒くさいので、もう帰らないことにしました。

編集会議では、紙媒体を廃止するか、電子カタログにするかで議論がされています。当面は二本立てでいく、という妥協路線でいきます。後輩から、カメラマンの鈴木拓哉の仕事が丁寧すぎて時間オーバーになる、と相談されます。インタビューは上手くいき、仕事は充実しています。

けれど、マンションの部屋に帰ると一人っきりで、寂しいです。結婚するのは面倒くさいし・・・と考えている折、『幸福のかたち』という詩集を手に取り、「まだ誰も住んでいない家」という一節に目が行きます。そうだ、家を買おう!

考えた末、妃斗美は不動産屋へ行き、こじんまりした2階建ての小さな庭もある家を買うことにします。貯金の3分の2を頭金にして、月7万円の20年ローンを組みました。保証人は、堅い会社に勤める男性、と言われましたが、母に相談すると「お父さんがあなたにと言って残してくれたお金があるのよ」と、嬉しい答え!全額支払って、買えました。

新しい家は住み心地、快適です。そしてある日、洗濯物を干していると足元に痩せた子猫がいました。ミルクを飲ませると、元気になっていきました。この金色の目をした猫のお陰で、彼女の家での生活も満たされていきます。雷(ライ)ちゃんと名付けて可愛がります。ライちゃんは、さらに幸せをもたらしてくれました。

*仕事ができ、お金にも恵まれ、愛するものまで現れて、ちょっと出来過ぎの心温まる物語です。

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