画学生たちの青春『ピカソになれない私たち』(一色さゆり)

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ピカソになれない私たち

東京・上野にある国立美術大学の森本ゼミ。4人の学生が「自画像」という課題の絵を描き、教授の評を受けています。森本教授は、ハラスメントで訴えられそうな、厳しく相手をやっつける言葉を投げます。

猪上詩乃:両親ともこの大学を出た画家です。彼女は子供のころから才能があると言われ、塾や予備校に通って無事に入学しました。教授からは、常に「自分の絵を描きなさい」と言われます。

汐田望音:地方の小さな島の裕福な家庭から来ました。常に絵の具で汚れたつなぎをきています。体が弱いです。描いたこと、伝えたいことを、きちんと伝えられるように、と言われます。

中尾和美:五浪してこの大学に入りました。画家よりもデザイナーを目指したほうが似合いそうです。新入生の方がマシだと言われます。

小野山太郎:このゼミ、唯一の男性です。この絵には情熱が感じられないと言われます。

この4人が、自分の環境と戦い、仲間をうらやんだり恨んだり励ましたりしながら、教授の𠮟責に向かって絵を描き、卒業制作を仕上げていく日々の物語です。

*ちょっとした事件も起こり、サスペンスタッチのところもありますが、画家とは自分そのものの表現だと言うことがよく分かりました。大学の内部の様子や教授たちの在り方も興味深いです。

著:一色さゆり
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