井村直美:高校の同級生の伊織とお茶をしながら、相手の境遇に嫉妬をします。羽振りのいい旦那さん、好きな天然石を使った手作りアクセサリーのお店を経営して、華やかな友人たちがいる。それに比べて自分の夫は、親から引き継いだつぶれそうな工場で体を壊しそうにして働いている。自分は埃っぽい倉庫で荷造りをするアルバイトをしているし、高校生と中学生の息子は、黙って食事をするとすぐに自室にこもってしまう。同じ敷地内にいる義父母からは嫌味しか言われないし・・・、と大きなため息が出ます。でも伊織から言われた「あなたの夢はパン屋さんになることだった」と、水曜日に手紙を出すと誰かの手紙が帰ってくる、という話が心に残ります。そこで、パン屋さんになって成功している話を書いて、出しました。
今井洋輝:美大のグラフィックデザイン科を出て、ステイショナリーメーカーに就職します。一番の夢は、絵本作家になることでした。そこで出会った小沼は、2年半勤めてから、フリーのイラストレーターになりたいと会社を辞め、アルバイトをしながら作品を書いています。安定とチャレンジのどちらを選ぶか、悩みます。
洋輝には照美という可愛い婚約者がいます。出会ったのは喫茶店。照美はそこでコーヒーを入れていました。写真が趣味です。デートは景色のよい場所で、彼女は写真を撮り、洋輝はデッサンをします。ある日、海岸でいつものように撮ったり描いたりすると、彼の絵を見た照美が「上手くなったねー、すぐプロになれそう」と言います。
小沼が仲間と開いた展覧会に行きます。小沼の絵がとてもいいので、唸ります。そして照美から聞いた水曜日郵便局のことを思い出します。そして今の心境を手紙に書いて、出します。
光井健二郎:水曜日郵便局で働く中年男性。高校二年生の娘がいます。妻を亡くし、2人で仲良く暮らしています。ただ、進学先については、心配です。遠くへ行かれて、一人暮らしになるのは、寂しいです。
*それぞれの環境と思いが丁寧に描かれています。水曜日郵便局というのがあれば、私も出してみたいです。手紙を出すと、幸せになるようですから。
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