緒方文哉は就職1ヶ月で会社を辞めます。ブラック企業だと気づいたので。その矢先に、見知らぬ男から電話で父の死を知らされます。
父は離婚してから、小2年の文哉と小5年の姉・宏美を育て上げ、2人が独立してから千葉・南房総に引っ越していました。2人とも転居通知をもらってから会っていませんでした。
文哉は、札幌から飛行機と列車でやって来た姉と2人だけで父を火葬します。
海の見える坂道の天辺の家で、後片付けを頼まれた文哉は様々な遺留品と向き合います。手助けに来てくれた海の男・和海の力を借りて日々食べる魚を捕ったり、庭の野菜に水をやったりします。
そうこうしている内に、自分たちと暮らしていた時の気難しい父とは違う面を知ります。別荘地の人々の助けをしていたとか、サーフィンを楽しんでいたとか・・・。
海の美しさと怖さを知った文哉は、都会とは違う生活の仕方に魅力を感じて行きます。多分、父親もそうだったのではないかと思いながら。
疲れている人達に別の生き方もあると励ましてくれる物語です。
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