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読感
ザルツブルグでの日記エッセイ『オーストリア滞在記』(中谷美紀)
中谷美紀さんは女優です。6年前にドイツ人のヴィオラ奏者と結婚して、1年の半分をザルツブルグの標高600mの場所にある自宅で過ごしています。この本はコロナでロックダウンの始まった年の5月1日から7月24日までのエッセイ風日記です。 6月の末の猛暑に... -
好日
早くも夏のウチの庭の花々
6月の末から一気に来た猛暑の日々(_ _;)我が家の庭も夏の花々が盛りになりました。 〇アガパンサス:初夏に咲き始める私の好きな花です。名前の由来は、ギリシア語のAgape(愛)とAnthos(花)で、地面から長い茎を伸ばし、てっぺんで細い花茎... -
読感
お仕事小説の先駆『閉店時間』(有吉佐和子)
この作者は『複合汚染』でも『恍惚の人』でも数年先の人々の苦労を先取りするような小説を書かれていて感服していました。 これは同じ女子校を出た3人の女性が新宿の大手デパートに勤めた5年間の物語です。最近も人気のあるお仕事小説の先駆けともいえま... -
見聞録
オードリー・ヘップバーンの人生と人間性を描いた映画『オードリー』
高校生の時に観た「ローマの休日」の感動はいまだに忘れられません。気品があるのにお茶目でチャーミングな王女様。 その後も『麗しのサブリナ』など人気映画の主役を演じましたが、晩年にユニセフの親善大使として紛争地帯の子供たちを訪ねている写真には... -
読感
浄瑠璃の世界を楽しく覗ける『仏果を得ず』(三浦しをん)
この作者のファンで、作品のほとんどを読んでいるのに、この作品は敬遠していました。今までに一度しか見たことのない伝統芸能なんて畏れ多い、と思っていましたが・・・。 読み出したら面白くて、いっき読みでした。 主人公の健は、高校の時に見た文楽で眠り... -
好日
紫陽花を見に王子へ
日差しはないけれど、雨も降らない涼しい日、花好きの友人に誘われて、王子へ紫陽花を見に出かけました。 飛鳥山公園の下と線路際の金網の塀の間の細い道を歩きながら、丁度満開の紫陽花の花を愛でました。 私たちの好きなブルーの花は涼しげで、濃... -
読感
さまざまな人の再出発を描く『海の見える理髪店』(荻原浩)
表題を含めて6編の短編集です。 「海の見える理髪店」 海辺の小さな町にある理髪店。年輩の店主が1人で切り盛りしている人気のお店です。予約を入れて行くと、シャンプーからマッサージまで付いた心地よい昔風の理髪店です。 特徴は、海を写す大きな鏡が... -
読感
帝国図書館の歴史と喜和子さんの生涯が絡む『夢見る帝国図書館』(中島京子)
この小説では、帝国図書館の歴史と喜和子さんという個人の生涯の物語が交互に語られます。実は私はこのタイプの進み方が苦手で、どうしても一つの話の方を続けて読みたくなってしまいます。 ここでは帝国図書館の歴史を先に、喜和子さんの生涯を後でまとめ... -
好日
紫蘇の香とほんのりした甘さ『紫蘇ジュース』
スーパーに赤紫蘇の葉が出始めました。早速買ってきて、紫蘇ジュースを作ります。この時期の恒例になった仕事です。 材料:赤紫蘇の葉(300g)、砂糖(400g)、檸檬(1.5個)又は(酢小3)、水1800cc 作り方: 赤紫蘇の葉を太い茎から外して、きれ... -
読感
連句と和菓子とポップ『言葉の園のお菓子番』(ほしおさなえ)
一葉は、大学を出て4年勤めた書店が閉店して、仕方なく、文京区根津にある実家に戻りました。亡くなった大好きな祖母の部屋には、本棚が1つ残っていました。 入院中にお見舞いに行った時に「私がここから戻れなかったら、本棚にあるノートを見てほしい」...