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読感
映画はさらに素晴らしかった『日の名残り』(カズオ・イシグロ/土屋政雄訳)
この映画を見た時、執事を演じたアンソニー・ホプキンスにすっかり参りました。まさにイギリスの執事のイメージにぴったりでした。その印象のみ残っていたので、原作を読んだときに改めてイギリス上流階級の執事という役割に感じ入りました。 ダーリントン... -
読感
温かくて清々しい『夏美のホタル』(森沢明夫)
プロのカメラマンを目指す22歳の慎吾と幼稚園教諭の23歳の夏美は仲良く付き合っています。ある休日、夏美のホンダのバイクの後ろに乗って、房総半島の森の奥へ走っています。突き当りに木造の雑貨屋がありました。二人はトイレを借ります。そこには84歳の... -
読感
高校生コンビが格好よい『本と鍵の季節』(米澤穂信)
図書委員になってから親しくなった2人の高校二年生の男子が格好いいです。松倉詩門は勉強もスポーツも出来、スタイルも顔も良く、物事を斜めに見るタイプ。堀川次郎はまじめで優しいです。この2人が謎解きに関わっていく六つの物語です。 1、一年先輩の... -
読感
母の愛の力はすごい『タカラモノ』(和田裕美)
ほのみが小学校2年生の秋、家族は池を埋め立てた新興住宅地に引っ越してきました。その一か月後、小学校の運動会があり、6年生の姉はリレーで一番に、ほのみは周回遅れでビリでした。でもママは「あそこであきらめないで最後まで走って偉かった」とほめて... -
好日
紅葉は美しいけれど・・・
私の町は道路ごとに樹木の並木があります。今は紅葉がきれいです。イチョウ、ハナミズキ、ユリノキ、ケヤキ・・・ 中でもダントツに美しいのは、アメリカ楓の紅葉です。 我が家にはハナミズキが3本あるので、花も紅葉も楽しみます。ところが・・・今は落ち... -
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文哉の旅立ち・完結編『海が見える家 旅立ち』(はらだみずき)
3月にアップした『海が見える家 続続編』は、文哉が管理する別荘地が台風で被害に遭い、彼は野菜も自分で作ってほとんど自給自足の生活をし始めたところで終わりました。今回は4冊目。台風から一年後、文哉の旅立ち・完結編です。 文哉は相変わらず海釣り... -
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2人の気持ちがズレた時にどうする?『傲慢と善良』(辻村深月)
架は30代後半まで、女性との付き合いはたくさんあったのに、結婚しようとは真剣に考えませんでした。気が付いたら周りはみんな結婚しているか独身を貫くという友人たち。100%気に入っていた女性とは、相手が26歳だったことから急がずに、ただ付き合... -
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夫婦・親子も相性?『雲を紡ぐ』(伊吹有喜)
美緒は高校2年生です。1年の時に受けたいじめのため、学校へ行っていません。自分の部屋のベッドで赤い温かいショールにくるまっています。母はそんな娘を心配するあまり、説明を求めたりお説教をしたりします。美緒は自分の気持ちをうまく言葉で言えませ... -
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32歳の2人のゴールインまで『やめるときも、すこやかなるときも』(窪美澄)
家具職人をしている須藤壱晴と会社員の本橋桜子は、友人の結婚式の二次会で出会いました。二人とも酔っぱらって洋服を着たまま壱晴の部屋で何事もなく寝ましたが、そのいきさつはさっぱり覚えていません。 二度目の出会いは、壱晴の個展のカタログを作るた... -
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真反対のナルチスとゴルトムントの友情『知と愛』(ヘルマン・ヘッセ 高橋健二訳)
この本は、大学に入学してすぐ、50代半ば、そして老女になった現在の3回読んでいます。どの時も感動した、ヘッセの作品の中で一番好きな長編小説です。 少年ゴルトムントは父の意向でマリアブロンの修道院に入れられます。ダニエル院長は年配者で、尊敬さ...