それぞれの土地と人々が魅力『青空と逃げる』(辻村深月)

青空と逃げる

この人気作家の著作を読みたくて、あれこれ探していたら、私が行ったことのない土地の出てくるこの本に目が止まりました。

高知県の四万十川しまんとがわ、兵庫県家島いえしま、大分県別府べっぷ

でも物語は旅などというのんきな話ではなく、主人公の早苗は、舞台俳優をしている夫が人気女優と一緒に乗った車で事故を起こし、病院から失踪。自宅にはマスコミや女優の事務所の怖い人が押し寄せ、居たたまれなくて、息子の小学5年生の力を連れて逃げます。

友人に誘われていた場所、四万十川の畔は美しい所です。食堂で友人と一緒に働き、力は川釣りをしている青年とその父にテナガエビの取り方を教わったりして、楽しい夏休みを過ごします。

ところがそこへも追っ手が現れます。早苗は再び力の手を引いて逃げます。次は姫路港から高速船で35分の家島。周りは瀬戸内海です。

そこは島から島への水泳大会がある唯一の島でした。魚が新鮮で、坂道にぎっしり家が並んでいる町です。

力は剣道部にいる女子中学生と知り合います。お弁当を分けてもらったり、島の上の神社に登って海を眺めたり、お互いの悩みを話たりして過ごします。

夏休みも終わりますが、学校へは戻りたくありません。友達から父のことで揶揄やゆされたからです。

早苗は姫路から新幹線で大分県別府へ行きます。

そこは温泉の湧く地です。お風呂屋さんの2階に住まわせてもらい、早苗は「砂かけさん」の仕事につきます。

この仕事は見ているより大変です。くわのような形の鋤簾じょれんで、仰向けに寝ているお客としゃべりながら体に砂をかけて行く、結構な重労働です。

一方、力は階下のお風呂の掃除を手伝います。空いた時間は自転車に乗って鉄輪かんなわ温泉まで走り、湯治のお爺さんとしゃべったり、ある日は母の砂かけを見に行って体験したりします。

早苗がここに永住しようと決心した時、またまた事件が・・・。そして仙台から女満別めまんべつ空港へ。

終わりよければすべて良し!

文章が軟らかく、各地で出会う人々が優しいです。

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