サーカスの凄さと少年の成長物語『サーカスの夜に』(小川糸)

サーカスの夜に

少年は両親が離婚して、グランマに育ててもらいました。粗末なアパートの1階がタバコ屋で、その屋根裏部屋で暮らしました。彼は13歳ですが、外見は10歳ぐらいで、子供の時の大病のために大きくなれないと言われました。

ある日、目にしたレインボーサーカスが来るというチラシに「団員募集中」と書いてあるのを見て、入ろうと決心します。タバコ屋のおじさんに借りた自転車に乗って、サーカスが滞在している番外地へ向かいます。

目が覚めると、トロとローズ夫妻の箱で寝ていました。屋内の掃除をしたり、天幕を下す雑用をします。そして団長に紹介されます。「お前の特技は?」と聞かれ、「これ以上大きくなれないことです」と答えます。

処遇が決まるまでの間、もう一つベッドの置けるコックの部屋で助手を務めます。彼は昼と夜の2食を賄っていました。街から譲り受けた屑野菜から、おいしいシチューを作るのでした。「食べ物は争いの元になる。腹さえ満たされていれば、いざこざはおきない」というのが、コックの持論でした。

いよいよ週末にクリスマス公演が始まりました。アウトレットオーケストラの演奏に合わせて、生卵を扱うジャグラー、派手な衣装の女性たちのアクロバットダンス、命綱のない綱渡り、空中ブランコ…少年はすっかり夢中になり、夢の世界を楽しみました。代々団長の奥さんが作るリングリングドーナツも、大人気でした。

しかし、空飛ぶペンギンが落下して死んだり、綱渡りの名手が一流サーカスに移ったっりしますが、少年は任されたトイレ掃除を丁寧に続け、団員の健康を守る食事の下ごしらえも手伝い、綱渡りの練習を始めます。

そしてサーカスは巡業に出ます。すべての物をコンテナに入れて、南へ向かいます。ローズに赤ちゃんが生まれ、海沿いの町で子供たちは小学校に通い、少年はジャグリングと綱渡りの練習に精を出します。

トロとローズの結婚式と団長の妻の葬式を一緒にすることになり、賑やかな一日を過ごしました。そして一行はまた番外地に戻ります。

クリスマス公演の初日は雪が降りました。少年の初舞台の日、グランマとおじさんを招待しました。二人は客席で嬉しそうにハンカチを振ってくれました。少年は細い綱が虹になるのを感じました。

夢をかなえるために地道な努力をした少年に、拍手を送ります。

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