似た経験をしている人には共感できる『自転しながら公転する』(山本文緒)

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自転しながら公転する

都(みやこ)は高校を出て、東京で好きなブランドのショップに勤めていました。けれど母の具合が悪いから、と父から連絡があって牛久大仏の見える茨城県の実家に戻ります。母は重い更年期障害で、起き上がれない日もあります。都が病院へ付き添うようになります。

都はアウトレットモール内の東京に本社のある洋服店に勤め、牛久大仏を眺めながら車を運転して通うようになります。その店では店長への不満、アルバイトたちへの気配り、東京から来るマーチャンダイザーのセクハラなど、けっこう苦労があります。

そのアウトレット内の寿司屋に勤める職人と付き合うようになります。見かけも態度も不愛想ですが、貫一という名前で「貫一おみやっていったら、金色夜叉じゃん」と本を読んでいる人です。父に紹介するように言われて家に招待すると、彼が中学しか出ていないことが分かり、父に「中卒で寿司屋のアルバイトか?!」と怒鳴られます。

貫一は、老人施設に入っている父親に毎月6万円払い、東日本大震災の時はボランティアにも行き、心の優しい物を見る目の広い人です。けれども結婚は考えられません。高校の友人の家に招かれると、しっかりした勤め人の夫と3LDKのマンションに住んでいて、羨ましく思います。

*都と似た悩みのある人には共感のもてる物語でしょうが、私にはえんえんと愚痴を聞かされているような鬱陶しさを感じる話でした。結末が目出度しで、ホッとしました。

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