60歳後半から70代半ばになった著者からのメッセージ『質問 老いることはいやですか?』(落合恵子)

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*お正月過ぎに、青山通りから入ったところにあった「クレヨンハウス」の前を通ったら、「吉祥寺に引っ越しました」という看板が掛かっていて、がっかりしました。以前は道路から下がったところにオーガニックレストラン、2階から上は絵本の専門店がありました。その時、落合さんも70代かな?規模を小さくしたのかしら?と思い、何となく合点して帰りました。そしてこの本を書店で見つけました。

お母様をおよそ7年間介護して、見送られました。「今度は私の番だ」という思いがしています。(私には5歳上の夫がいますので、まず夫を見送り、それから私の番だと思うのだろうなと思います)

吉野弘さんの詩に娘に上げたいものは「香りのよい健康」と「自分を愛する心」とあります。そして「かちとるにむづかしく、はぐくむにむづかしい」と記しておられます。年をとったら尚更「自分を愛する」心は必要なはずです。

普段は歳を考えなくても、歳だなーと思う瞬間はしばしばあります。〇商品の説明書きや注意書きの字が小さくて読めないこと。〇「ほら、あれよ」「ほら、あの人・・・」という言葉がふえます。〇携帯の字を打ち込むのに時間がかかります。〇ペットボトルのキャップがなかなか開きません。〇坂道で一休みします。〇「まじつらたん」という若者言葉、わかりますか?(答、とても辛い)

でも落合さんは活動的です。作家としての活動、政策の疑問には「反対!」の声を上げてデモに行かれます。花の種を注文して植えます。食事の支度もお料理も手早くて上手です。糠みそ漬けもなさいます。お友達も多いです。怒髪ヘアーが似合います。羨ましいほどの70代です。

☆山田洋二監督に質問「『小さいおうち』に託された思いは?」⇒僕の家のふみさんという女中さんと「路傍の石」(吾一という少年が丁稚奉公に出されていじめられる話)という映画を見に行った時、ふみさんがボロボロ泣いていました。その時、ふみさんが喜ぶような映画を作りたいと思いました。体は衰えてもイマジネーションを抱くことはまだ大丈夫。家で毎月一回、親子読書会を続けています。

☆谷川俊太郎さんに質問「どんな死を望まれますか?」⇒朝、吸うよりも吐くほうを大事にする呼吸法をしています。一人住まいが快適です。食べたい物を食べます。宇宙の流れに身を任せていればいい。死は解放。父親(谷川徹三)のように、全然苦しまず、眠ったまま亡くなるのが理想です。

☆なかにし礼さんに質問「自分の流儀を貫くには?」⇒満州で生まれて8歳で帰国したので根なし草ですが、根っこのはしきれが牡丹江にある。よそ者の流儀が貫けました。積極的平和のために鉄砲をもつなんて、論理矛盾です。血を流すことが一番いけない。一番大事な死に関して無力というのは、問題だ。人生を肯定しながら、どう尊厳を持って死にいけるかが今のテーマで、そういう小説を書きたいです。

☆笹本恒子さんに質問「100歳まで仕事を続けるには?」⇒林謙一さんという方から報道写真家にならないかと誘われて。日本には女性の報道写真家が一人もいないと。母だけが味方でした。室生犀星先生、三木武吉さん、明治の女性たちを撮りました。料理研究家の阿部なをさんはエールをくださって、励まされました。現在の一日は、6時起床・体操・シャワー・朝食・仕事・夕食はワインとお肉。

☆黒い千次さんに質問「老いる、ってどういうことでしょうか?」⇒70代の時は父親の老いを見ていました。今は自分が老いを感じています。真面目に老いていく人が少なくなっているような気がします。素敵に年取っているなぁと思うのは、女性に多い。燻したような輝き。花が自然に枯れた後にまた新しい芽が出てくる。女性は未来を見ていて、男性は過去を懐かしがる。人生は途中の充実です。”老い心地”というのは、老い進んでいくプロセスで感じることを獲得したり、拾い上げたりできれば、豊かな心地と言えるのかもしれません。

*50・60は花なら蕾、70・80は働き盛り、90になって迎えが来たら、100まで待てと追い返せ。という言葉もあるそうです。元気が出ました。老いを楽しむことにしましょう。

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